ライトノベル 終わりのクロニクル レビュー

終わりのクロニクル1〈上〉 電撃文庫 AHEADシリーズ タイトル 終わりのクロニクル @<上>〜E<下>
著者 川上稔
イラスト さとやす
出版 電撃
発売日 2003年6月〜2005年11月


執筆者:jade 各巻評価:A→S→A→S→B→A→A→A→A→A→S→S
かつて世界は、平行して存在する10個の概念世界と戦闘を繰り広げていた。その戦争に勝利し、全てが隠蔽されてから60年。
高校生の佐山御言は祖父の死後、突然巨大企業IAIより呼び出しを受ける。そして、この世界がマイナス概念の加速により滅びの方向へ進みつつあること。それを防ぐには、各異世界の生き残り達と交渉し、10の概念の解放しなければならないことを伝えられる。
かくして、佐山は多くの遺恨を残した概念戦争の最後の闘いに巻き込まれていく。

文章・構成・キャラ・世界観などなど…どれをとっても高いレベルにある素晴らしい作品ですね。
まず世界観が素晴らしい!
かつて歴史の裏で行われた10個の異世界との“概念戦争”。その戦後処理をするために集められた全竜交渉部隊。
1つ1つの異世界の設定、それぞれの種族が抱える想い、そして登場人物各々が背負った宿命、そのどれもが背筋をぞくぞくさせてくれますね。
作者の中で確固たる世界観が構築されていて、なおかつ物語には直接関係ない部分まで設定が決められている作品に強く惹かれる傾向があるので、この世界観だけで私の心を掴むには十分というもの。

それから懸念だったギャグ部分。
基本的にシリアスとギャグは水と油のような関係であり、両立させようとすればお互いの持ち味を消してしまうことが往々にしてあります(シリアスな展開を和ませようと無理にギャグを入れてしまったがためにそれまでの物語の流れを断ち切ってしまい、興ざめしてしまうとかね)。
しかしながら、この作品はギャグをそのままキャラの個性として成り立たせることによって、その相反する事項を両立させてしまったのだから素晴らしい!
つまり普段真面目な人間がギャグを言うと不自然さが否めないけど、元々頭がおかしい人間ならどんな発言をしても普通に受け取れるというわけです。
だから発言によって物語の雰囲気がぶち壊されることがなく、純粋にその発言を楽しめるんですね。

シナリオではD下とE下が素晴らしい出来で甲乙付け難いですね。
個人的な好みで言えばA下なんですが、ストーリーの序盤よりも終盤の方が物語の完成度が高まるのは世の常ですからね。いくつもの伏線が回収されてきたこともありますが、やはりキャラとその背景に感情移入できるようになったことが大きいですね。
D下での佐山を呼ぶ新庄の叫びやE上での遼子さんと新庄のやりとり、E下での飛場の戦いなど、何度胸が熱くなったことか!あまりにも名シーン、名セリフが多すぎて数え上げればキリがありませんね。

好きなキャラは巨乳手つかず人妻外人と奈津さんかな。
前者はコウノトリ発言一発で虜にされた感がありますが(笑)、後者は存在自体がストライクゾーンど真ん中。
どうも昔から欠けたる者に惹かれるんですよね。
それに弱さをひた隠し、明るく前向きに日々を過ごすところも私好み。あんな妻がいたら動画に目覚めるのもわかる気がします(笑


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